職業プログラマの休日出勤

職業プログラマによる日曜自宅プログラミングや思考実験の成果たち。リアル休日出勤が発生すると更新が滞りがちになる。記事の内容は個人の意見であり、所属している(いた)組織の意見ではない。

単位獲得クエスト2 〜そして新卒へ〜

大学(放送大学の「社会と産業」コース)を卒業しました🎉

f:id:t_motooka:20210328161219j:plain

2019年4月に3年次編入してから、ちょうど2年での卒業となりました。素晴らしいですね😃

以下は、これに絡んだ細かな話たちです。

4月からどうするのか?

ピチピチの新卒として、会社で働きます😃
今年で22歳*1ということもあり、新卒っぽい雰囲気を目一杯に醸し出していきたいと思います✌️

そんな話はさておき、4月からは同じく放送大学の「情報」コースに再入学(3年次編入扱い)することにしました。
15年*2以上この情報処理の業界で仕事をしてますが、まだまだ知らないことは山ほどありますし、名実共に情報処理技術者となるべく、ここらで改めてきちんと学んでおこうかなと思った次第です。

また、同時に、大学院の修士選科生にもなります。本当はこの4月から情報学プログラムの修士全科生になりたかったのですが、昨年秋の院試がスケジュールの都合で受験できなかったことから断念しました。今秋は受験できたらいいなと思います。もしも合格したら、上記の情報コースの学部生の身分は休学という扱いにしようかなと思っています。

何を学んだの?

経営関係や法学関係の科目をメインとしました。
他には数学や計算機科学のちょっとした復習をしたり、少し外国語を学んだり、心理学の基礎的な話を学んだりしていました。

学んだ成果は仕事に活かされてる?

会社の経営に、明らかに活かされています。
仕事のやり方そのものを学校で学ぶ訳ではなく、仕事で問題に遭遇したときに解決策を探るための基礎的な能力が身についた、と言う方が正しいかもしれません。

弊社の顧問の税理士の先生やそのアシスタントの方からも「よく勉強なさってますね」とお褒めの言葉を頂戴しました。嬉しい限りです。

単位を取るのは苦労した?

情報処理系の科目はさておき、履修した科目の大半は生半可な知識しか持っておらず無勉強だと当然に落ちるので、それなりに勉強しました。
勉強したとは言っても、リアルハタチ*3の頃に学んでいたところに比べれば、必要とする労力や精神力は格段に低かったです。この差の原因は、大学の違いなのか、文系・理系の違いなのか、この20年弱ほどの間で私が賢くなったせいなのか、他にも色々考えられますが、変動要因が多すぎてよくわからないです。間違いなく言えるのは、「放送大学って楽勝なんでしょ?」という言葉には堂々と否定の言葉を返すことができる、ということだけです。

ちなみに、頑張って学習した成果か、単位修得できた科目の成績はこんな分布で、不合格になった科目は1個だけでした。

  • Ⓐ(90〜100点):41.3%
  • A(80〜89点):41.3%
  • B(70〜79点):14.3%
  • C(60〜69点):3.2%

放送授業はどうだった?

我が家にはテレビはありませんし学習時間帯もバラバラだったので、インターネット配信で放送を視聴していました。入学後、システムにログインすればWebブラウザから視聴できます。ある程度ですが再生速度も変更可能なので好きなように学習できます。良かったです。

あと、これは余談なのですが、私は「寝付けなくて困る」ということが無くなりました。どういうことかと言うと、夜に布団に入ったあと、照明を消して目を瞑って放送授業を聞けば高確率で眠りに落ちます。有効に作用させるためのポイントとして以下のものがあります。

  • 「興味はあるけども知識はそんなに無い」科目を選択する
  • できればテレビ科目ではなくてラジオ科目にする(テレビだと興味が湧いて画面を見てしまうため)
  • 近所迷惑にならない範囲で、きちんと聞き取れる音量でかける
  • 他の考え事は一切せず、その授業内容に完全に集中する

私の場合は線型代数学や民法の授業がとても適していました。どれが適しているのかは人それぞれだと思うので、お試しあれ。
なお、極めて稀なケースとして睡眠に失敗することがありますが、その場合であっても授業を聞いていた私は賢くなっているので損をしていません。将棋に例えるならば、桂馬で飛車角の両取りをかけているようなものです。

面接授業はどうだった?

私が履修した科目は全て、講師と内容は素晴らしかったです!内容に興味があったせいってのもあるかもしれませんが。
早起きの訓練にもなります🌞

科目によっては生徒の質が良くないものもありました。自然言語系の科目で「◯◯語のように表音文字を使ってる言語圏の民は賢くならない」とか喚き出す爺に遭遇したり、世界経済系の科目で「私の娘はね、◯◯国で国際結婚して大金持ちでセレブざんす」とかマウントを取り出す老婆に遭遇したり、というのが印象深かったです。明らかに授業の邪魔でしたね。その一方で、外国語の会話を学ぶための科目ではこういった授業妨害勢力に遭遇することはありませんでした。サンプル数が少なすぎることもあって統計的にこうであるとは言い難いところではありますが、会話を中心とした外国語科目は学びのモチベーションの高い生徒しか履修しないから授業妨害勢力が入り込みにくいという仮説は有り得ると思います。

オンライン授業はどうだった?

基本的には放送授業でテレビ科目を視聴するのと同じような感じで、課題の提出がオンラインになっている点が放送授業と異なるところかな、といったところです。放送授業と比べると学ぶことを急かされる面もあり、私のような怠惰な人間には有効に作用しました。

特に良かった科目は?

このブログの読者の大半を占めるはずの情報処理技術者たちにお勧めできる科目という観点で私が履修したものの中から選ぶと、以下のようなものを挙げたいです。(情報処理系の科目を除きます)

著作権法

ソフトウェア開発者は、ライセンスの話、突き詰めれば著作権の話から離れて仕事をすることは極めて稀だと思います。この科目を履修して基礎を叩き直してもらいましょう。試験はそれなりに難しいです。

ファイナンス入門

受託開発だろうが自社サービスだろうが、目の前のタスクを実行するべきかどうかの判断に迫られることは多々あります。ファイナンスの知識は、こういった判断をするときのヒントになるでしょう。
「新機能を開発するべきかどうか」の判断は比較的簡単だとして、「バグを修正するべきかどうか」「リファクタリングを実施するべきかどうか」といった判断を、技術者としての勘と経験だけではなく、経済面からも説明できるようになるはずです。学んだところで下す決断はほとんど変わらないでしょうけれども、これは顧客や経営者を説得する力につながりますし、我々技術者が経営者の立場になったときに出資者を納得させる力になるはずです。

マーケティング

インターネット上を見渡すと、誰にも刺さらなさそうなマーケティングや倫理的にヤバいマーケティングとかを見かけることがそれなりにあると思います。倫理的にヤバいやつが目立ちすぎてマーケティングという世界に不信感を抱き、縁遠い場所にずっと身を置いてきた訳ですが、そろそろそういう訳にもいかなくなってきたなぁ、ということを数年ほど前から感じるようになったので履修しました。倫理面の善し悪しは一般的な情報処理技術倫理からある程度判断できると思われますが、「きちんと確立されているマーケティング手法はどれか?」というのを、我々技術者が学ぶ機会はそうそうありません。受託開発とかの場面はさておき、対個人だろうが対法人だろうが自社製品やサービスを開発するんであれば、こういう話は知っていた方が良いのかなー、と思いました。

放送大学への入学は、他の人にもおすすめできる?

学ぶ意欲と時間と金銭的余裕、これら3つが揃っているならオススメです!

*1:19進数

*2:10進数

*3:10進数での20歳