国語辞典を適当に広げて眺めたり、英和辞典を(以下同文)したり、鉄道の路線図を(以下同文)したり、そうやって様々な発見をして一人でニヤけたり友人たちと盛り上がったりしたことは、きっと多くの人が経験してきただろうと思います。楽しいですよね。これらに共通するものは何でしょうか? そう、一覧性や網羅性を帯びた資料を眺めるという行為にあたります。一覧表を見ることは知識と心を豊かにするのです。
ところで、料理人が極まると最高の野菜を育てるための土壌づくりに手を出したり、プログラマが極まると物理層に手を出したりコンパイラやOSを作ったり、金管製の楽器の奏者が極まると金属原子の並びを気にし始めたりすることからもわかるように、人の中には極まると低レイヤに向かう者も出始めます。これは一覧表の世界にも言えることです。では、知識の世界で言うところの「低レイヤ」とは何でしょうか?筆者は「文字」であると考えています。
文字の一覧。
これほど心が燃え上がるものが他にあるでしょうか?(いや、無い(反語))
この記事では、きっと皆さんの心を踊らせることになるであろう、素晴らしい一覧を紹介します。先人たちの知恵と努力の成果の数々に感謝しながら、豊かな人生を送っていこうではありませんか…!
おすすめの文字の一覧
この記事の最重要コンテンツです。
The Unicode Map Project
github.com
みんな大好きUnicodeの文字の一覧です。
一覧と言っても、縦に並んだ普通の一覧表ではありません。ヒルベルト曲線に乗せてUnicodeを1文字ずつ並べたものになります。こうすることによって、線ではなく面でUnicodeを捉えることができます。
この地図の U+0000〜U+3FFF版 と U+4000〜U+7FFFF版 の2枚が我が家の壁に飾ってあります。最高です。
文字セット一覧
今も提供されているのかどうかわかりませんが、むかし筆者が参加したフォントの勉強会において株式会社モリサワさんが提供して下さった「文字セット一覧」のポスターは、とても素晴らしい文字の一覧です。この資料は Adobe-Japan1-6 の規格に含まれる文字が全て掲載されています。裏面はフォント一覧になっています。
同じ内容のPDFファイルが、モリサワさんのサイトからダウンロード可能です。このページの中を「文字セット一覧」で検索して下さい。
www.morisawa.co.jp
ちなみに、Adobe-Japan1 規格は2019年の前半の新元号発表後に、Adobe-Japan1-7 が誕生することが予告されています。上記の文字セット一覧もアップデート、されるかな…?ドキドキ
blogs.adobe.com
また、モリサワさんは他にもワクワクする資料を提供して下さっていて、特に以下のリンク集の中にある「Adobe-Japan1-6フォントのJIS90年版とJIS2004年版フォントの字形差(PDF)」にはとてもお世話になるところであります。
www.morisawa.co.jp
e-Tax 利用可能文字一覧
www.e-tax.nta.go.jp
2010年の作品のようです。筆者はこの存在を最近知ることになりました。
Unicodeの U+0020 から U+FFFF までの中にある文字を列挙し、利用不可能なものには網掛けをした、という気合の入った資料になっています。どうもPostScriptから変換かけて作ったんじゃないかという気もしますが、人力で作ったものであるかもしれません。いずれにせよ私たちの税金から作成されたであろうこの高価であるはずの資料は、大事に使いましょう。
お願い
「他にこんなのもあるよ!」とかあれば、この記事へのコメントか、はてブのコメントで教えて頂けると嬉しいです。
さいごに
文字の一覧を眺めているだけで最高に楽しくて、大した業績をあげることもないまま40歳になりそうです。皆さんも文字の一覧を眺めるときは用法・用量を守って正しくご覧下さい。