昨年、オススメの本を紹介しあう会(ビブリオバトル)が会社で開催されたのだが、その会に同僚氏が持ち込んだ「暗号解読」という本がとても興味深かったので、買って読んだ。

- 作者: サイモンシン,Simon Singh,青木薫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/06/28
- メディア: 文庫
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- 作者: サイモンシン,Simon Singh,青木薫
- 出版社/メーカー: 新潮社
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手元の本は平成25年に15刷と書いてあるので、かなりのロングセラーなのだろう。恥ずかしながら自分は同僚氏に紹介されるまで知らなかった。
暗号解読。
身近なところでは、シェル芸人の皆さんによる暗号解読騒ぎなどが記憶に新しい。
【こわい】唐突に暗号解読を始めるシェル芸人達 - Togetterまとめ
日頃、SSL/TLS を喋るサーバを構築したり管理したり、アプリケーションが取り扱うデータの安全性をどのように確保するのか?といったことに頭を使ったりなど、暗号のことを考えない日は無いと言っていいほどだ。
簡単な暗号なら有限量の努力で解読できる。そういう自信もあった。
しかし、実際に自分の手を動かして、あるいは自分で解読用のプログラムを書いて暗号解読を試みたことはあるかと言われると、ほとんど無い。
この「暗号解読」は少々古い(2000年前後に書かれた本だ)が、古典的な暗号や第二次世界大戦、そしてRSAや量子暗号に至るまで、時代をたどりながら取り上げて行く。簡単なものについては解読するための手法も実践的なものが紹介されている。
また、ただ単に技術的な解説にとどまらず、その暗号の発明や解読に至る人間の動きも紹介されていて没入感が高い。
読むにあたって、全部理解しようとするとなかなか難しいものはあるかもしれないが、話を追う分には、前提知識は特に要らないだろう。きっと。
皆さんも読んでみては。
追記@2017/03/19 01:10頃
そういえば、ちょっと前に「セキュリティフォント」という いかがわしい 製品が話題になっていた。
security.srad.jp
この「セキュリティフォント」の仕組みは、単純な換字式暗号。「暗号解読」の上巻の、かなり最初の方で解読法が解説されてしまう代物だ。
「セキュリティフォント」には情報を守る効果がほとんど無い(ただしゼロではない)ということはすぐにわかることではあるが、この本を読んでいれば、単純な換字がどれだけ危険であるか身を以て知ることができるだろう。