職業プログラマの休日出勤

職業プログラマによる日曜自宅プログラミングや思考実験の成果たち。リアル休日出勤が発生すると更新が滞りがちになる。記事の内容は個人の意見であり、所属している(いた)組織の意見ではない。

「いろいろとりどり」展示を見てきた話

現代においては色を言葉で表現するとき、おおよそ以下のような手段が使われているはずである。

  • 話者が使っている自然言語に備わっている表現 日本語ならあかみどりなど
  • RGBの値
  • CMYKのインキの量
  • 色見本(DICなど)の版と番号

もちろんこれ以外にも表色系はいくつか存在する。これが数百年も昔の日本であれば、恐らくは自然言語で色を表現していたはずであるが、その実態はどのようなものであるのか、興味のある読者はきっと多いことだろう。
この興味を満足させる展示が神奈川県立金沢文庫金沢文庫は、もともとは鎌倉時代に創設された図書館だそう)で催されていると聞き、訪れてみた。展示は5月12日までらしいので、見たい人はお早めに。筆者はこの連休中は風邪で寝込んでいて観覧は絶望的かと思っていたが、どうにか快復することができたのが良かった。

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いろいろとりどり展

展示の内容は色々と面白かった。現代で言うところのデザインガイドラインのような文書とか、見ていて本当に体が震えた。「このような目的では、この色を使いなさい」的な文書は数百年前の日本で既に作られていたのである。ちなみに、色の名前は今の日本語と似たようなものだった。
それで、中でも面白いと思ったのは、当時の会計帳簿である。会計帳簿で染料の材料を取引しているところから当時の着色を推測している流れとか、本当に興味深い。

詳しく知りたい人は、どうぞ現地でご観覧を。5月12日まで(大事なことは二度言うスタイル)

技術書典6 サークル参加レポート

先日開催された技術書イベント「技術書典6」にサークル参加してきました。サークル名は「職業プログラマの休日出勤」、そう、このブログの題名と同じです。
techbookfest.org
タイトルの通り、この記事はそのレポートです。

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吹き出し作成アプリ「突然の死」バージョン2.1リリース

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>   突然の死 2.1   <
>   ㊗️リリース🎉   <
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こんな吹き出しをお手軽に作成するためのiOSアプリ「突然の死」のバージョン2.1をリリースしました。

突然の死

突然の死

  • Tadahisa Motooka
  • ユーティリティ
  • 無料

このアプリには、次のような機能があります。

  • 簡単なコピー&ペースト
  • Twitterへ投稿(「設定」アプリでTwitterの設定をしている場合のみ)
  • その他、iOSがサポートしている様々なサービスへ投稿
  • 画像として出力
  • 余白などの設定
  • 履歴の記録

アプリの根幹は2013年11月の初期リリースから変わっていません。では、2.1で何が変わったのかと言うと…

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こよみを学ぼう!〜旧暦の新年を迎えるにあたって〜

西暦2019年2月5日、新月が空に輝く日、日本語で言うところの「旧暦」は新年を迎えた。中国で言う「春節」だ。めでたい。

それはさておき。西暦で2019年を迎えた直後の頃、

「まだまだ私にはデートエンジニア*1としての技術力が足らない」

そう思わせてくれる事件*2が発生したこともあって「勉強になる本は無いかなー」と図書館をうろうろしていたところ、とても魅力的な本を見つけたので借りてきた。その名も「日本の暦 旧暦と新暦がわかる本」である。
本のタイトルから考えて日本の話に集中しているかと思いきや、世界の様々な暦法も丁寧に解説されている良書だ。図書館で軽くパラパラ開くだけでも「あー、そういうことだったのか!!」の連続であった。これはもう借りるしかない。このブログを読んでいる皆さんも、この本を開けばきっと同じような感想を抱かれることだろう。この本にどのような内容か書かれているのかと言うと、様々な暦法の技術的な特性、政治的な特性などである。
また、この本は複数の歴史研究家がそれぞれの立場で章を受け持っており、同じ事柄について複数の見解が記されている点も特徴的だ。勉強になる。

さらに、この本を読めば次のようなこともわかる。もちろん、これだけではない。

  • 世界の様々な暦法
  • 1週間が7日間であることの理由
  • 江戸時代の話
    • 「暦屋」という職業
    • 江戸時代の日食予報
    • 江戸幕府「天文方」
    • 三角関数は江戸時代の日本で既に使われていた…!(π計算の事例があることは聞いていたが…)
  • 明治5年から6年にかけての旧暦(太陰太陽暦)から新暦太陽暦グレゴリオ暦)に移行するときの物語
    • 明治5年12月2日(旧暦)の翌日が明治6年の元日(新暦
    • 福沢諭吉の明治6年のベストセラー「改暦弁
    • 日本の元号は一度は廃止された?!
  • 日本の元号の、当時の発音

キミはこの本を読んで興奮せずにいられるだろうか?(いや、きっと無理だ)

改元して U+32FF元年(㋿元年)を迎えることになる2019年、暦の知識をしっかりと身につけて生き延びていこうではないか。

*1:日付時刻の処理に長けた情報処理技術者のこと

*2:日付に関する同僚氏からの質問に即答できなかった