職業プログラマの休日出勤

職業プログラマによる日曜自宅プログラミングや思考実験の成果たち。リアル休日出勤が発生すると更新が滞りがちになる。記事の内容は個人の意見であり、所属している(いた)組織の意見ではない。

G Suite 導入

世の中の多くの企業が導入している G Suite を、ついに弊社も導入しました。
gsuite.google.com
メールに関して言うと、これまでは さくらのメールボックス のお世話になっていて特に不満等は無かったのです。それどころか、1ドメインあたり年額1000円ちょっとという桁違いの安さ(それに加えて、さくらインターネットさんによる運用という、現代では国内最高レベルの信頼)があり、「メーリングリストは10個以内」などの制約範囲内で済むメール運用、かつホットスタンバイのことを考えなくて良い状況なら、圧倒的な優位性があります。
www.sakura.ne.jp

ところが、このリモートの時代、弊社が主催しないといけないビデオ会議やら何やらが増えてきて、そろそろ弊社でも Google Meet か何かの会議ツールを確保しないといけないよねぇ、という状況になりました。Google Meet が個人でも使えるようになったりしましたが、これもいつまで続くかよくわからない一方で、弊社は事業においてはビデオ会議は欠かせない存在になったのでした。別に G Suite でなければならない理由というのは特に無かったのですが、その他の諸々の機能の積み重ねのことを考えると G Suite の方が優位だな、という状況でした。

さて、前置きが長くなりましたが、この記事の続きは G Suite を導入する上でハマったポイントのご紹介です。

前提

  • ドメイン(ここでは example.co.jp としましょう)は、既に取ってある。
  • このドメインの中の、G Suite の管理者となるべき人物のメアド(例えば motooka@example.co.jp としましょう)は、G Suite ではなしに、既にGoogleアカウントを作成しており、Googleの機能の一部*1を利用している。
  • 古いメールを G Suite のGmailに取り込むことは最初から諦めてる(面倒くさいし)。

G Suite アカウント作成

G Suite のアカウントを作成する際、言い換えれば14日間の試用を開始する際、基本的には管理者となるアカウントのGoogleアカウントも一緒に作ることになります。ところが、弊社の場合は管理者となるべき人物のメアドでは既にGoogleアカウントが存在しているため、恐らく作成に失敗します*2。これはどうしたもんか🤔と悩んでいるうちに、こんなQ&Aに行き着きました。
webapps.stackexchange.com
この質問は私が抱えていた問題と全く同じです。正式な回答はついていませんが、コメントのところに重要なヒントがあります。全く別の新しいアドレスを使って G Suite の契約をやって、後から既存のユーザを取り込んだら良いじゃないか、ということです。これだ!と思って、この方針で進めることにしました。結果的にはこれは正解でした。temporary-admin@example.co.jp のようなアドレスで G Suite の試用開始をして、 motooka@example.co.jpを招待(後述)して管理者に任命したのちに temporary-admin@example.co.jp を削除する、という手順を踏みました。

既存アカウントの組織への取り込み

G Suite の試用を開始し、ドメイン保有の確認が取れたところで、次の問題が発生しました。既存のGoogleアカウントを組織に招待できないのです。
公式のガイド(Option1)によれば

You use the Transfer tool in the Admin console to:

1. Check whether any users in your organization have existing personal Google accounts that share your organization's email address. If no one does, you don't need the tool. Instead, go to Options for adding users.
2. Use the tool to email the users that share your organization’s email address.
3. Request that the users transfer their existing Google account to your organization's managed Google account or rename their personal Google account.

For details on using the Transfer tool for unmanaged users, read Find and manage existing Google accounts.

https://support.google.com/a/answer/7044710?hl=en

とのことですが、2番で出てくるツール(Transfer tool for unmanaged users)には、移管すべきアカウントが24時間以上待っても登場しません。これ以上待てないなぁと思い、データ消えてもいいや!!という覚悟のもとで既存の Google Account を組織に追加しようとしたところ、きちんとエラーになってくれた上に、移管ツールにも移管候補として登場してくれました。項目の1番には「Check」しろと書いてありますが、これは実際には「追加を試してみろ」という意味のようです。このヘルプの文書、あまりにわかりにくすぎるので、フィードバックを送りました。じきに改善されると信じています。

おまけ:リセラーさんのお世話になるの?ならないの?

弊社は、リセラーさんのお世話にはなりませんでした。(失礼な言い方かもしれませんが)リセラーさんが経営危機に陥ったりしたときに、会社の最重要インフラの一つであるメールの仕組みが何らかの影響を受けたりすることがとても怖かったです。実際にリセラーさんが営業停止状態になった時に何が起きるのか?は知りませんが、弊社のような生き方をしている企業においてはこのリスクはとても大きいものだと感じました。(えっ、Googleさんが経営危機に陥ったり、日米間の国交に異常自体が発生したらどうするのかって? そのときは流石に諦めはつきそうですよね😅)

さいごに

無事に導入が済んで、そしてしばらく運用できて、ほっとしています。これからしっかり活用して、今後の事業の発展に役立てていきたいです。

*1:カレンダー、スプレッドシート、等

*2:なぜ試していないのかと言うと、変なことをやったら、バックアップは取ってあるとは言えども、データが消えたらリカバリが面倒くさいから、です。