無線LANでハマったのでメモ。
「無線LANがどうしてもつながらないから助けてくれ」と救援依頼を頂いたので、調査と措置を取ることになりました。
症状
- 一部のS社製端末で当該の無線LANを探そうとしても、無線LANの一覧に表示されない(他のネットワークは見える)。
- 同機種の別の端末では、見えるものもある。
- iPh○neやPCなどからは百発百中で見える。
最初にこの症状を聞いたときに疑ったのは次のような原因です。
- 測定している環境によるもの(電波の届きにくい場所で観測している)
- IEEE 802.11b/gのみ対応の機器を 802.11nネットワークに繋ごうとしている(後でよく考えたら、この場合は無線LANの一覧には表示されるような気もする)
ところが現地で調査してみると、無線LANの電波は部屋中に十分行き渡っており、当該のAndroid端末は IEEE 802.11b/g/n 対応の端末でした。
困り果てた僕は、自分のネットワーク知識のあやふやさから、猛烈に焦りました。
Macで調査
数年前であれば、iPhone向けアプリの中に無線LANの状況を調査するためのものもありましたが、それらはPrivateAPIコールを理由にAppStoreから駆逐されてしまいましたので、手軽に無線LANの状況を調べられるツールは現在はありません。
となると、Macで調査することになります。
いろいろなアプリが世の中には存在するようですが、迷ったときはOS標準のものに限りますよね。そこで登場するのが「Wi-Fi Diagnostics.app」。Mountain Lion の場合は /System/Library/CoreServices の中に置いてあります。Finderで見る時は「Go」メニューの「Go to Folder...」を使うと良いですね。(日本語版だと「移動」とか、そんなメニュー名だった気がする)
問題の無線LANを調査
このツールで問題の無線LANを調べてみると、
- IEEE 802.11 n のみでの運用
- 12チャンネル
- 電波強度は問題無し
という状態でした。
ここでやっと気付いたのですが、今回のトラブルの原因は、チャンネルとして12を採用していたことでした。
チャンネル、どこからどこまで?
よく使われるWifi(IEEE 802.11b/g/n)の規格としては、チャンネルは1から14まで定義されていますが、一般的に使われるのは1から11までです。
このことは僕も感覚的に知っていたのですが、なぜ12から14が使われないのかは知りませんでした。
英語版WikiPediaによれば、12から14チャンネルは北米での利用が法律で制限されている、とのことです。
この状況では、北米に輸出「され得る」製品は12から14チャンネルが殺されてても仕方が無いなあ、という思うところになります。
今回のトラブルで接続できなかった端末は12から14チャンネルに対応していなかったようです。
なぜ同機種の中で、12チャンネルに接続できる個体がある?
この話は推測の域を出ませんが、
- 11チャンネルと12チャンネルでは周波数が重複している部分がある
- 端末に搭載されている無線LAN処理用のチップに個体差があって、規格上は11チャンネルまでであっても12チャンネルに接続できるチップがある
のいずれかor両方により、接続できる個体が発生したのではないかな、と考えています。