昨日は、 Brett Baker (tb)氏の演奏を聴きに行ってきた。
氏は英国Black Dyke Bandの首席トロンボーン奏者で、英国トロンボーン協会の会長さんでもある。今回はOHB(Osaka Harmony Brass)のBassTrombone奏者・山崎さんの計らいで招聘されたとのこと。他にも個人的な用事はいっぱいあったのだが、それらの関係者の皆様にはゴメンナサイして、OHB with B.Baker の会場へ向かった。OHBと言えばスゴい奏者達の集まりで、彼ら単独での演奏も十分に楽しめるのだが、今回はB.Baker氏との共演ということで見逃す訳にはいかなかった。
Featured Solo(バンドの前に立っての独奏)
僕らは楽器を演奏するときに「歌になっている」という表現をすることがある。これはどういうことなのかと言うと、フレーズの途中で「不自然な切れ目」が出て来ないことを指す。要は「自然な、歌のような演奏ができている」ことなのだが、これは非常に難しいものだ。今回のB.Baker氏の演奏では様々な感動を得られたが、その要因の1つとして、氏の演奏が「歌になっている」というものが挙げられる。通常の旋律であっても、激しい跳躍(音の高さの上げ下げ)があっても、それが乱れることは無かった。難しいものも難しいと感じさせない演奏だ。人によっては感動のあまり「普通にスゴい」という訳のわからない表現をしてしまうこともあるが、それもある意味で的を得た表現だと僕は思う。
Section Play(バンドの中に加わっての演奏)
通常、ゲストのSoloistを迎えて演奏会を催す時は featured-solo ばかり演奏することが多いのだが、今回は何と! B.Baker氏は Year of the Dragon の1st Tromboneパートに参加されるとのこと。これは2楽章のTromboneソロを演奏してもらうことを主目的としての取り計らいだと思うのだが、当然、ソロ以外のセクション部分も演奏されることになる。この世界トップクラスの奏者がセクションに入ったら一体どうなるのか。
今回のOHBのTromboneセクションは皆さんスゴい奏者ばかりでとても豪華な編成なのだが、そこにB.Baker氏が加わると…さらに豪華になったのだ! 必死に吹かなくても楽勝で会場に響き渡るTromboneセクションの音。小さい音量の場面でももちろん会場に響き渡る。しかしながら曲想を破壊させることは全く無い。あぁ、これが理想のセクション・プレイなのだなぁと思った。そして、B.Baker氏の隣で吹いてた皆さん、羨ましい。
帰宅してから
トロンボーンを吹きたくなったが、人に貸してたということをすっかり忘れていた。まぁ、もし吹いたとしても数秒で挫折するような気もするがw
リンク
Brett Baker 氏公式サイト http://www.brettbaker.co.uk/
OHB(Osaka Harmony Brass) http://www.ohb.jp/