職業プログラマの休日出勤

職業プログラマによる日曜自宅プログラミングや思考実験の成果たち。リアル休日出勤が発生すると更新が滞りがちになる。記事の内容は個人の意見であり、所属している(いた)組織の意見ではない。

言葉の乱れ:「SIMフリー」

SIMロックとは、携帯電話やタブレットなど、SIMカードを挿して使う情報通信端末に対する「特定の情報通信事業社のSIMカードしか利用できない」という制限のことを指します。
ここ数年、このSIMロックがかかっていない端末についての話題がよく登場するようになりました(筆者の観測範囲での話であって、統計を取った訳ではないです。。)。しかしながら、そういった話題の中では、どうも聞き捨てならない言葉が飛び交っています。それは「SIMフリー」。

○○free

少しだけ、英語のお勉強です。
○○(名詞)の後に free が付くと、形容詞として取り扱われるのです。

(例)

  • tax-free : 課税対象外の
  • sugar-free : 砂糖不使用の
  • alcohol-free : (飲料を修飾して)ノンアルコールの (場所を修飾して)アルコール飲料の消費が禁止されている
  • China-free : 中国(中華人民共和国)の製品を含んでいない

じゃあ、「SIM-free」は何を意味するのでしょうか? もうお分かりですね。そう、「SIMカード無しの」という意味になってしまうのです。「SIMフリーの端末」は、「SIMカード無しで通信を行う端末」のことになります。これは現代の日本人の多くが意図している意味とは全く異なるものです。
そう言えば、10年くらい昔だとSIMカードを挿さない(挿せない)端末が主流でしたね。

正しい表現

それでは、SIMロックのかかっていない端末のことを何と呼べば良いのでしょうか?
答えは一つではありません(当然ですね)。

  • SIM lock free
  • SIM unlocked
  • (単に)unlocked

あたりが答えになるかと思います。Australiaではただ単に unlocked と言うのが主流でした。むしろ「unlocked」だけでGoogle検索すると、1ページ目には携帯電話の話題しか出てこないくらいです。他の英語圏の国では何と呼ぶのが主流なのかは不明ですが、おおよそ上に掲げたもののいずれかでしょう。
日本語を話したり書いたりしている途中で「アンロックト」と発音したり書いたりするのは少し面倒臭いところですので、日本人にとっては「SIMロックフリー」と表現するのが適当でしょう。

もうみんな和製英語のせいで英語の利用や学習などにおいて酷い目に遭っていると思うので、これ以上被害が増えないようにしましょう。「SIMフリー」じゃなくて「SIMロックフリー」ですよ。

余談:なぜ今になってこんな話を?

本件は、Australiaに居る日本人の友人と「日本人が言っている『SIMフリー』って変な表現だよねー」という話を交わして以来、ずっと気になっていた話題です。なぜ今になってこの話の記事を書こうと思ったかというと、日本の複数のMVNO(仮想移動体通信事業者)さんのWebサイトで「SIMフリー」の表現を使用していることに気付いたためです。話は少し逸れますが、筆者は手持ちのSIMロックフリーのiPhone5に挿すSIMをどうするか激しく検討中なのです。

タブレットを使うならSIMフリー端末で。

https://www.iijmio.jp/guide/outline/hdd/scene.jsp?l=0m220a

どの端末でb-mobile SIMが使えるの?
b-mobile SIMはdocomoから販売されている端末や技適マークがついているSIMフリー端末(SIMフリーiPhoneなど)でご利用いただけます。

http://www.bmobile.ne.jp/lineup.html

IIJ-mioさんに b-mobile(日本通信)さん。どちらの会社さんも良さそうなサービスを提供されているだけに、少し残念です。
とは言いつつも、どちらかの会社さんと契約すると思います。はい。