職業プログラマの休日出勤

職業プログラマによる日曜自宅プログラミングや思考実験の成果たち。リアル休日出勤が発生すると更新が滞りがちになる。記事の内容は個人の意見であり、所属している(いた)組織の意見ではない。

道具

道具は、大きく2つに分けることができると思っている。

  • 不可能なもの、または事実上不可能なものを可能にする道具
  • その道具が無くても実現可能なことがらを、より楽に実現するための道具

例として、包丁と皮剝き機という組み合わせを考えてみよう。
包丁があれば、食材を切ったり皮を剥いたりすることができる。これは不可能を可能にしてくれる道具。
ところが、包丁でジャガイモの皮を剥くには、それなりの量の練習が必要である。この練習をしなくても済むようにしてくれているのが、皮剝き機。

皮剝き機は便利だ。きっと、みな口を揃えて同じ事を言うだろう。
そこに、料理のことを全く知らない、包丁の存在も知らない人が登場したとする。
その人はどういう行動に移るだろうか?そう、包丁を買わずに皮剝き機だけを買う。
次のセリフはこうだ。「皮剝き機じゃジャガイモ切れないじゃねーかバカヤロー!!」


ソフトウェアの開発は、ゲームを除けばほぼ全てが道具の開発である。(ゲームも道具だと主張する人は居るかもしれないが)
包丁のような道具を作っている人も居れば、皮剝き機のような道具を作っている人も居る。
割合としては後者の人の方がずっと多いだろう。筆者もその中の1人だ。

皮剝き機的な道具を開発していて最も辛いことの一つが、包丁的な道具の存在を伝えられないことである。
営業上の都合によることもあれば、単に説明不足なこともある。


包丁が必要な人には、包丁を手に入れて欲しい。


そう願いながら筆者は今夜も包丁を握る…ことなど無く、食糧を外部から調達してくるのであった。


お寿司おいしい。