職業プログラマの休日出勤

職業プログラマによる日曜自宅プログラミングや思考実験の成果たち。リアル休日出勤が発生すると更新が滞りがちになる。記事の内容は個人の意見であり、所属している(いた)組織の意見ではない。

誰もが通るはずの道

縁あって、昨年11月に開催されたKOF(関西オープンフォーラム)にて写真のキーホルダー?を頂いた。
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誰がどう見ても、IT界隈では知らぬ者の居ないはずの出版社、O'Reilly社の販促グッズである。出版している技術書の表紙はほとんどこのような画風の動物の絵を使っていることでも有名だ。頂いたとき、僕は大いに歓喜した。その場に居られた周囲の技術者の皆様方も、僕程ではないが軽く喜んでおられた。

あれから3ヶ月ほどが経過した。僕は職場の人やソフトウェア開発に携わる一部の友人に会うことが有ればこのキーホルダーを見せびらかした。恐らくはドヤ顔(?)と呼ばれるであろう表情で。
僕は主に、以下のような反応を期待していた。上にあるものほど期待度は高かった。

  1. 何を今更…(苦笑)
  2. その絵、何の本の表紙だっけー??
  3. おー、すっげー!! どこで買えるん?!

ところが、実際に返って来た反応は以下のようなものばかりであった。

  • え?おれいりー?何それ?
  • その会社の本、難しくて読めないっす…
  • 本買う金なんか有るかっ!!

…まあ、確かに、O'Reillyの本はほとんど英文和訳で、最初から日本語で書かれた文章とは勝手が違っていて読みにくいかもしれない。和訳にかかる時間の分だけ最新技術の情報は陳腐化しているかもしれない。お金に困っていたら本は買えないかもしれない。他にもO'Reillyが抱えている問題はあるかもしれない。それに、O'Reillyの本さえ読んでいたらOKという訳ではない。敢て読まないという人が居るということも理解しているつもりだ。

やはり、一番ショックだった反応は「何それ?」だ。IT関連の中ではこれだけ幅広い分野の書籍を出版している会社なのである。それなりに大規模な書店へ行けば必ず目に入るこれらの動物の絵の表紙。そして、新しい技術を学ぼうとしたときや何か技術的なところで行き詰まったときに必ず手に取ってみることになるはずの本。神業を成し遂げる人もそうでない人も、誰もが通るはずの道。
金管楽器で言えば「アーバン金管教本」、ピアノで言えば「バイエル」、Apple製品向けのソフトウェア開発であれば「Human Interface Guidlines」。これらの文書を完全に全て理解し体得するのは難しいかもしれないが、逆にこれらに全く触れずに(存在すら知らずに)その道を進むことはイトカワまで行って帰ってくるのと同じくらい難しいことなのではないだろうか。信じられない。多くの場所で叫ばれているように、やはりこの国の情報処理産業はダメダメなんじゃないのだろうかと思ってしまう。悲しい。
まあ、この感情は「最近の若いもんは…」と似た、バカバカしい話なのかもしれないのだが。。