職業プログラマの休日出勤

職業プログラマによる日曜自宅プログラミングや思考実験の成果たち。リアル休日出勤が発生すると更新が滞りがちになる。記事の内容は個人の意見であり、所属している(いた)組織の意見ではない。

吹奏楽

もう1週間も前の話になってしまったが、久し振りに吹奏楽の舞台に乗ってきた。エキストラとしての参加だったけど、なかなか面白かった。

こんな演奏会だった

  • 宝塚アカデミー音楽団 第11回定期演奏会
  • いたみホール(兵庫県伊丹市)
  • 2011年12月04日(日) 13時半開演
  • 入場者数:888名(!)

筆者にとっての吹奏楽

MSX-BASICを通してPSG音源/FM音源と戯れた中学生時代。そこで音楽に興味を持った筆者は高校で吹奏楽部に入り、主にEuphoniumを担当する。高校卒業後は吹奏楽に触れる事はほとんど無く、今に至る。だいぶ遠ざかってしまったけど、(DTM等ではなく)実際の楽器を使って音楽を演奏することの基礎はほとんど吹奏楽時代に身に付けたものだと思っている。
前回、吹奏楽の舞台に乗ったのは2003年3月に高校の定期演奏会にOBとしてTrumpetで少しだけ出演したときのことなので、実に8年半振りの吹奏楽である。とても懐かしいものであった。とは言っても、吹奏楽時代はほとんどEuphoniumで過ごしたので、今回のようにTrumpet/Cornetで参戦するのは非常に刺激的な出来事でもある。

特に印象に残った曲たち

演奏した上で、特に印象に残った曲たちをいくつか紹介しておきたい。

First Suite in E♭ for Military Band(吹奏楽のための第一組曲) by Gustav Holst

昔、後輩達が演奏しているのを見てあまりにも格好良くて、羨ましく思ったのを覚えている。いつかやってみたいと思っていた曲の一つだ。筆者はこういう良い意味で「古風」な音楽が大好きだ。
曲の中では、Clarinetと似た動きをする箇所が意外と多かった。普段はClarinetとCornetで共演する事は無いので衝撃だったのだが、この2つの楽器の音が混ざると、これまた良い意味で「古風」な独特な音がする。G.Holstさんはこういう音色を思い描いて曲を書かれたに違いない!と思った。この面に関しては、恐らくTrumpetを使って収録されたであろう、プロの演奏団体のCDよりも良い音を出す事ができたと思う。

The Sun will Rise Again(陽はまた昇る) by Philip Sparke

金管バンド界で世界を席巻し続ける作曲家、東日本大震災と津波による惨状を受けて、P.Sparke氏が「Cantilena」を吹奏楽に編曲したもの。
今回は講談師・旭堂南陽氏による被災地に関する講釈の後での演奏となった。この講釈が、とても現実味のある内容で、会場はおろか、舞台の上からも涙を流す音が聴こえてくるほどだった。どのような内容の話だったかって?概略を書く事はできるが、ここで書いてしまうことはとても畏れ多く感じる。だから書く事はできない。

When You Wish Upon a Star(星に願いを)by Leigh Harline, arranged by Summy Nestico

最初に編曲者名の欄を見たとき、激しく驚いた。筆者にとって Summy Nestico 氏と言えば、 Count Basie(カウントベイシー)楽団の凄腕作編曲者であるが、その彼が吹奏楽曲の編曲をやっていたのだ。後で聞いた話ではあるが、S.Nestico氏は米軍の軍楽隊に雇われていたことがあって、どうやらその時代の作品らしい。曲の内容としては、当然ながらswingな部分があった。そしてそれは精巧に組み上げられたswing-waltzだった。S.Nestico氏の技を感じる、素晴らしい編曲だった。

全体を通しての感想

見知らぬ土地に練習に行ったり、見知らぬ楽器(contrabass-clarinet, contrabassoon, harp, etc)を間近で見て度肝を抜かされたり、とにかく驚きの連続でワクワクするものがあった。まともに練習に参加できるようになったのは11月上旬だったということもあり非常に短い期間であったが、とても充実した活動であった。どこの馬の骨か分からん筆者のような人間を一人の奏者として受け入れてくれた皆さんに感謝したい。そして当日会場に足を運んで下さった888名もの観客の皆様にも御礼を申し上げたい。